2025/07/07 09:00

怪我の予防と再発防止に! エキセントリックトレーニングのすすめ

 

今回は、「エキセントリックトレーニング」についてご紹介します。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、実はケガの予防やリハビリ、パフォーマンスアップにも効果的なトレーニング方法です。

 

<エキセントリックトレーニングとは?>

筋肉が伸ばされながら力を発揮する動きを「エキセントリック(遠心性)収縮」といいます。

たとえば、スクワットでゆっくりしゃがむ動作や、階段を下りる動作などがこれにあたります。

この動きを意識的に取り入れて行うのがエキセントリックトレーニングです。

 

<有効性①:筋力アップと柔軟性の向上>

エキセントリックトレーニングでは、筋肉にかかる負荷が高いため、効率よく筋力を高めることができます。

また、筋肉が伸ばされる過程で動きの柔軟性も高まり、可動域の改善にもつながります。

 

<有効性②:ケガの予防と再発防止>

特に、アキレス腱炎やハムストリングの肉離れ、膝の痛み(ジャンパー膝や腸脛靭帯炎など)のリハビリや予防に効果があることが多くの研究でわかっています。

再発しやすいケガに対して、再発率を下げる目的でも活用されています。

 

<有効性③:関節への負担が少ない>

エキセントリック動作は比較的ゆっくりした動きが多いため、関節への衝撃が少なく、シニア世代や痛みのある方でも取り入れやすいのが特徴です。

 

<どんな人におすすめ?>

  • スポーツでケガをしやすい方
  • 以前ケガをして、再発を防ぎたい方
  • 筋力トレーニングに取り組みたいけど、関節の痛みが気になる方

<エキセントリックトレーニングのメニュー例>

1) アキレス腱トレーニング(ヒールドロップ)

対象:アキレス腱炎・足底筋膜炎

方法:段差(階段など)に爪先をかけて立つ → 片足でゆっくりとかかとを下ろしていく(5~8秒) → 反対足で元の位置まで戻す(上げるときは補助)

回数の目安:10回×2〜3セット/日

 

2) ハムストリングトレーニング(ノルディックハムストリング)

対象:ハムストリングの肉離れ予防

方法:膝立ちになり、足首を誰かに押さえてもらう or 固定する → ゆっくり前方へ体を倒していく(手で着地してOK) → 起き上がるときは腕を使って補助する

回数の目安:5回×2セット/週2〜3回からノルディックハムストリングの動作手順

3) 大腿四頭筋トレーニング(スロースクワット)

対象:膝の痛み(ジャンパー膝・変形性膝関節症)

方法:足を肩幅に開いて立つ → 5~8秒かけてゆっくりしゃがむ → 座りきる前に止めて、元に戻る

回数の目安:10回×2〜3セット/日

 

当院では、痛みや身体の状態に合わせて、適切なエキセントリックトレーニングの方法をアドバイスしています。無理なく、効果的にケガを予防・改善していきましょう!