2025/06/16 09:00
【熱中症にご注意!】JFAも対策を強化~夏のスポーツと健康管理
日差しが強くなり、気温が急激に上がってくるこの季節、熱中症への注意がますます重要になってきました。
2024年11月に日本サッカー協会(JFA)が育成年代(U-12、U-15、U-18など)の選手を対象に、7月・8月には原則として公式戦を行わない方針を打ち出したことが話題になっています。これは、選手の命を守るための非常に重要な取り組みです。
<熱中症とは?>
熱中症は、暑い環境下で体温の調節がうまくいかなくなり、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで起こります。軽度であればめまいや立ちくらみで済みますが、重度になると意識障害やけいれんを引き起こし、命に関わることもあります。
<なぜ夏のスポーツが危険なのか?>
夏場の運動は、体温が急上昇しやすく、特に子どもや高齢者は体温調節機能が未発達・低下しているため、リスクが高まります。炎天下での練習や試合は、水分補給が間に合わず、熱中症になる危険性が極めて高いのです。
JFAが試合を控える決断をしたのも、子どもたちが健康を損なうことなく、安心してスポーツに取り組める環境を守るためです。育成年代の指導者の方々も夏場の練習は、十分対策をして気を付けて行ってください。
<スポーツ活動中の熱中症による事故の実態>
過去15年間(2005~2020年度)で、学校における熱中症が原因の死亡事故は27件報告されており、その約8割にあたる22件が体育的部活動中に発生しています。特に野球部での事故が最も多く、次いでラグビー、柔道、サッカー、剣道と続いています 。
また、2023年7月28日には、部活動の帰宅中に中学生が熱中症とみられる症状で倒れ、意識不明の状態で病院に搬送され、死亡するという痛ましい事故も発生しています 。
<熱中症対策>
以下のような対策をぜひ意識してみてください。
- こまめな水分補給(のどが渇く前に)
- 適度な塩分摂取
- 涼しい服装や帽子の着用
- 無理な運動を控える
- 冷房や扇風機の活用
- 体調が悪いと感じたらすぐに休む
- 練習や試合の前にプレクーリング(手掌や足裏の末梢冷却、アイススラリーなど)を行う
熱中症になってしまったら、アイスバスなどでとにかく体温を下げる必要があります。夏場の練習や試合の際にはその準備を行っておくことも重要です。
<最後に>
「がんばること」が美徳とされがちな日本のスポーツ文化ですが、何よりも大切なのは「命」と「健康」です。JFAのように選手の健康を第一に考える姿勢が、これからのスポーツ界でもますます求められるでしょう。
皆さんもこの夏、無理をせず、体としっかり向き合ってお過ごしくださいね。
暑熱環境下におけるサッカー活動について(周知).pdf (0.44MB)