2025/11/13 09:00

打撲と肉離れの初期対応の違い

スポーツや日常生活で「ぶつけた」「足をひねった」「走っていてふくらはぎがピキッとした」。そんなとき、ケガの種類によって初期対応が少し違います。

ここでは、打撲(だぼく)と肉離れの違い、そして正しい初期対応について分かりやすくご紹介します。

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<打撲とは?>

打撲は、外からの衝撃で筋肉や皮下組織(皮膚の下の部分)が傷ついた状態です。

転倒したり、ボールや人とぶつかったときに起こりやすく、内出血や腫れ、痛みが生じます。

【打撲の主な症状】

  • 押すと痛い(圧痛)
  • 腫れや青あざ(皮下出血)
  • 動かすと少し痛いが、力を入れられることも多い

 

 <肉離れとは>

肉離れは、筋肉の一部が引き伸ばされすぎて部分的に切れた状態です。

主に運動中、急なダッシュやジャンプ、ストップ動作で起こります。

【肉離れの主な症状】

  • 「ブチッ」「ピキッ」とした感覚がある
  • 直後から強い痛みで歩けないこともある
  • 筋肉を伸ばしたり力を入れると痛い
  • 時間が経つと腫れや内出血が出てくる

 

<打撲の時のポイント>

  • 打撲直後の出血を最小限にとどめるために可能な範囲でストレッチした状態でアイシングする
  • 患部を弾性包帯などで圧迫する(RICE処置)
  • 腫れや皮下出血が落ち着いてきたらできるだけ早期に温めて動かす
  • 骨化性筋炎にならないようにするため、患部への刺激の強いマッサージは避ける

<肉離れの時のポイント>

  • 受傷直後のストレッチ痛を確認しておく(ストレッチ感覚があり痛みが軽度であれば損傷も軽度と判断できる)
  • ストレッチ痛が明らかなものは、そのままにせずに受診する
  • 筋線維だけでなく腱の損傷があるものは復帰までに時間がかかる
  • 再発することが多いため、復帰にはストレッチ感覚や筋力を取り戻すことが重要

 

打撲と肉離れでは初期対応が少し異なるだけでなく、施術や復帰の際に気をつけることも異なります。

打撲の際の骨化性筋炎、肉離れの再発しないようにスポーツに復帰することは気をつけなければいけません。当院では状況や症状に合わせて施術、復帰のために必要なトレーニングも行います。打撲や肉離れでお困りの方はぜひご相談ください!

2025/10/28 15:57

11月の診療のお知らせ

11月の診療は以下の通りとさせていただきます。

お急ぎの方は公式LINEでご連絡ください!

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2025/10/06 09:00

五十肩の評価と施術方針

1. 基本的視点

当院では五十肩の患者様だけではありませんが、可動性の問題(Mobility dysfunction)安定性/運動制御の問題(Stability/Motor Control dysfunction)を分けて考えます。

五十肩の患者では「単に肩関節だけの動きが悪い」とは限らず、「胸椎や肩甲帯の可動性低下」、「運動制御の破綻」が複合していることが多いからです。

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2. 五十肩で想定される典型的なパターン

<可動性の問題>

  • 肩関節包(特に後方・下方)の硬さ
  • 肩甲上腕リズムの制限
  • 胸椎伸展・回旋の可動性の低下
  • 胸郭拡張の可動域の低下

<安定性・運動制御の問題>

  • 肩甲骨周囲筋(前鋸筋・下部僧帽筋)の機能不全
  • ローテーターカフの協調性低下
  • 体幹から上肢への力伝達の不良

 

3. 評価の流れ

<肩を動かすことで痛みと代償動作のチェック>

 

「痛み」「可動域制限」の有無と原因を分類

  • 肩関節そのものの可動域(外旋・内旋・水平伸展)
  • 胸椎伸展・回旋の可動性
  • 肩甲骨のモビリティ/安定性
  • 頸椎の可動性

 

4. 施術方針の立て方

(1) 疼痛・拘縮期(Acute〜Frozen stage)

目的:炎症管理と過剰な代償運動の抑制

<介入例>

  • 肩関節自体は無理に動かさず、胸椎・肩甲骨の可動域維持
  • 軽度な振り子運動や等尺性収縮で循環改善
  • 呼吸法(胸郭拡張による胸椎伸展アプローチ)

 

(2) 拘縮が強い時期(Adhesive stage)

目的:可動域の増大+肩甲上腕リズムの回復(ここで時間がかかることが多いです)

<介入例>

  • 後方関節包・下方関節包のモビライゼーション
  • 胸椎モビライゼーション(エクササイズバンド・フォームローラー)
  • 肩甲骨セッティング(前鋸筋・下部僧帽筋活性化)

 

(3) 回復期(Recovery stage)

目的:安定性と運動制御の再教育

<介入例>

  • ローテーターカフと肩甲骨筋群の協調運動(壁スライド・ダイナミックプランク)
  • 全身運動連鎖を利用したファンクショナルエクササイズ(例:スクワット+上肢挙上)
  • 日常生活動作に即した動作練習(結帯・頭上動作の再獲得)

 

5. まとめ

当院では、五十肩の施術は「局所の可動性改善」、「肩甲帯・胸椎のモビリティの回復」、「安定性・運動制御の再教育」の順に進めるのが基本方針となります。

五十肩の施術は時間がかかることが多いですが、なかなか腕が上がらなため日常生活が不自由になっている方もいらっしゃると思いますので、お力になれれば幸いです。

また、強い痛みはないけども肩が動かしづらい、肩こりがひどい、背中が張っているなどがあれば痛みを出現させないためにも早めの対処が必要かもしれません。

お気軽にご相談くださいね。

2025/09/08 09:00

膝が悪いのではなく、膝が「頑張りすぎている」だけかも?

こんにちは、いまだ接骨院です。

膝が痛い、といって来院される方はとても多くいらっしゃいます。ですが実は、「膝自体が悪い」とは限りません。

当院では「SFMA(選択的機能的動作評価)」という評価法を用いて、膝に痛みが出る本当の原因を全身から探します。

 

◆ 膝は「中間管理職」?

膝という関節は、股関節と足関節の“間”にある関節です。

つまり、上(股関節)と下(足関節)の影響を非常に受けやすい部位なんです。

本来、膝は「安定性」を保つことが役割の一つですが、股関節や足首がうまく動かないと、その分を膝が「代償」して動くことになり、痛みが出る原因になります。

 

◆ SFMAでわかる、膝の痛みの「元凶」

SFMAでは、膝だけでなく次のような部位の動きも細かくチェックします。

 

  • 股関節の可動域・筋力・安定性
  • 足関節の柔軟性や動作時の使い方
  • 体幹の安定性
  • 動作全体の連動(スクワットやしゃがみ込みなど)

 

これらのうちどれかがうまく働いていないと、膝が頑張りすぎ(動きすぎ・力が入りすぎ)て負担が集中してしまいます。

 

◆ 具体例:足首が硬いとどうなる?

たとえば、足首(足関節)の背屈可動域が制限されている人は多いです。

足首が硬いと、しゃがんだり階段を降りたりするときに、膝が前に突き出してしまい、結果として膝にストレスがかかります。

膝自体に炎症や損傷が見つからないのに痛みがある場合は、このような問題が関係しているケースが多いのです。

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◆ 膝に電気や湿布だけでは治らない?

膝が痛いと、まず湿布や電気治療を行う方が多いと思います。

それも一時的な対処として必要になりますが、根本的な解決にはならないことが多く見られます。

大切なのは、「なぜ膝に負担がかかっているのか」を突き止め、その原因に直接アプローチすることです。

 

◆ まとめ:膝痛の本当の原因を見つけるには?

膝痛の原因は、股関節や足首にあることが多い

SFMAでは全身の動きから根本原因を評価できます

膝を治すためには、全身の連動性を整えることが必要です

「動いているときだけ膝が痛い」

「何度も同じような膝の痛みを繰り返している」

そんな方は、当院での施術を一度受けてみてください。今まで見逃していた原因が見つかり今後の方針がハッキリするかもしれませんよ。

 

2025/08/09 09:00

「腰が原因ではない!?」〜SFMAの考え方からみた腰痛の原因〜

こんにちは、いまだ接骨院です。

腰痛でお悩みの患者さんに、よくこんな質問をされます。

「腰が痛いんだから、腰が悪いんですよね?でもレントゲンやMRIでは異常がないと言われたんです…」

もちろん腰が原因の場合もありますが、必ずしもそうとは限りません。

私たちが取り入れている【SFMA(選択的機能的動作評価)】という評価法では、「痛みが出ている場所」と「問題のある場所」は必ずしも同じではないという考え方で評価します。

 

◆ SFMAってなに?

SFMAとは、ケガや痛みの根本的な原因を探すための「全身の動きのチェック方法」です。

一部だけを見るのではなく、身体全体のつながりを診ていくのが特徴です。

腰だけを診て終わりではなく、「なぜ腰に負担がかかっているのか?」を動作の中から探っていきます。

 

◆ 腰は“代償”しているだけ?

腰という場所は、本来それほど大きな動きが必要ない“安定”の役割を持つ部位です。

しかし、以下のような他の部位の動きが悪くなると、腰が代わりに頑張らざるを得なくなります。

 

  • 股関節の柔軟性の低下
  • 胸椎(背中)の動きの悪さ
  • 足関節の可動域制限
  • 肩甲骨が不安定 など

 

つまり、本当の問題は「腰以外」にあることが多いのです。

 

◆ よくある例:股関節が動かないと…

股関節が硬いと、前屈やしゃがみ込む動作のときに腰が余計に動くようになります。

それが毎日のように続くと、腰の筋肉を使いすぎて疲労がたまり、痛みとしてあらわれるのです。

SFMAではこうした「本来動くべきところが動いていない → 他が代償する → 結果として腰が痛くなる」という「運動連鎖(キネティックチェーン)」を大切に考えています。

 

◆ 腰の筋肉の緊張をほぐすだけでは治らない理由

痛いところをマッサージしたり電気をあてたりするだけでは、根本的な改善にならないこともあります。そのため、一度良くなったと思っても繰り返し腰痛を起こしてしまうことがあります。

SFMAの評価で「原因の場所」を見つけて、そこにアプローチすることが腰痛の本質的な改善につながります。

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◆ まとめ:腰痛を根本から治したい方へ

腰痛の原因は腰とは限りません

身体全体の動きをチェックすることが大切です

SFMAを活用することで、根本的な原因が見えてきます

当院では、腰痛の方に対して「動作評価 → 原因の特定 → 個別の施術・運動指導」という流れで対応しています。

もちろん、腰の筋肉の緊張が強すぎる場合はそもそも動かせないので、腰に対してアプローチします!

「なかなか腰痛が良くならない…」

「毎回、同じところが痛くなる…」

そんな方は、ぜひ一度、当院の施術を受けてみてください。