2025/04/30 17:20

代表的な股関節の痛みの種類について

日常生活の中で「歩くと股関節が痛い」「立ち上がるときに違和感がある」など、股関節の痛みに悩まされている方はいらっしゃいませんか?

股関節は、体重を支える重要な関節のひとつで、痛みが出ると歩行や日常動作に大きな支障をきたします。今回は、股関節で見られる代表的な痛みの種類について、原因や特徴を交えながらご紹介します。

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1. 変形性股関節症

中高年の女性に多く見られる疾患で、股関節の軟骨がすり減ることで痛みが生じます。

症状の特徴:歩き始めや立ち上がり時に痛みが出る、股関節が硬くなる

原因:加齢、先天性の股関節脱臼、骨盤の歪みなど

 

2. 股関節唇損傷

股関節の中にある「関節唇(かんせつしん)」という軟骨が傷つくことで起こります。

症状の特徴:足の付け根が引っかかるような痛み、動かすと「コリッ」と音が鳴る

原因:スポーツや繰り返しの動作による負担、先天的な形状の異常など

 

3. 鼠径部痛症候群

スポーツ選手に多く、股関節の前面(鼠径部)に痛みを感じます。

症状の特徴:キックやダッシュなどの動作で痛み、休むと軽快するが再発しやすい

原因:筋肉や腱の使いすぎ、不安定な骨盤の動きなど

 

4. 坐骨神経痛

股関節周辺だけでなく、臀部から太もも、ふくらはぎにかけてのしびれや痛みを伴います。

症状の特徴:足を動かさなくてもズキズキするような痛みやしびれ

原因:坐骨神経が圧迫されることによる

 

5. 筋肉や腱の炎症

長時間の立ち仕事や無理な姿勢、運動のしすぎなどで筋肉や腱に炎症が起こることもあります。

症状の特徴:特定の動作で痛み、ストレッチで和らぐことも

原因:筋疲労、ストレッチ不足、姿勢の乱れなど

 

6. 弾発股(だんぱつこ)【NEW】

症状の特徴:股関節の前・横・後ろで「パキッ」「コキッ」と音がする。違和感や痛みを伴うこともある

原因:腸腰筋や大腿筋膜張筋などの腱が骨に引っかかることで音が鳴る「外側型・内側型の弾発股」、関節内部での障害による「関節内型」:スポーツや柔軟性の高い動きをする方(バレエ、ダンスなど)に多く見られる

注意点:音だけで痛みがない場合は経過観察でも問題ないことがありますが、痛みや引っかかり感が強い場合は施術やストレッチ、運動制限が必要です

 

<まとめ>

股関節の痛みにはさまざまな種類と原因があります。症状によって適切な対処法も異なるため、「そのうち治るだろう」と放置せず、早めの対処が重要です。

股関節の安定性と可動性の問題や左右のバランスの悪さから片側に負荷がかかっているなどの問題も多く見られます。たとえ痛みがなくなったとしても、変形した股関節が元に戻るわけではありませんので、現在の問題を明確にして(レントゲンやMRIなどの検査が必要な場合は整形外科を紹介することもあります)、対処することで進行させないことも重要です。

 

股関節の違和感や痛みでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

2025/03/22 09:00

膝の痛みと股関節の動きの関係性について

膝の痛みに悩む方は多いですが、その原因が膝そのものではなく、実は股関節の動きにあることをご存知でしょうか?

スポーツ医科学の分野では、体の機能を統合的に考えることが重要とされています。体の各関節がどのように連動して動いているかを評価し、痛みや機能不全の原因を特定していきます。

日常生活で起こる痛みに関しても、同様のことが言えます。股関節や足関節の動きが悪いために膝に負担をかけていることが多く見られます。

今回は、股関節の動きと膝の痛みの関係について解説します。

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<股関節の可動性と膝の安定性>

股関節は本来「可動性(モビリティ)」が求められる関節です。一方で、膝関節は「安定性(スタビリティ)」が求められる関節とされています。

しかし、何らかの理由で股関節の可動域が制限されると、その影響が膝に及び、膝関節が本来の安定性を維持できなくなります。これが膝の痛みや障害の原因となることがあります。

 

<股関節の可動性低下が膝に与える影響>

股関節の可動性が低下すると、以下のような問題が起こる可能性があります。

1.膝の過剰な内旋・外反

 股関節の可動性が制限されると、膝が内側に入りやすくなり(ニーイン)、膝にストレスがかかります。
 ニーインすることにより腸脛靭帯炎(ランナー膝)や、内側側副靭帯(MCL)のストレスにつながることがあります。

2.大腿四頭筋の過活動とハムストリングスの弱化
 股関節が正常に動かないと、膝関節を支える筋バランスが崩れやすくなります。
 大腿四頭筋が過剰に働き、ハムストリングスや臀筋の働きが低下すると、膝蓋大腿関節(膝のお皿の下)のストレスが増え、膝蓋大腿関節障害のリスクが高まります。

3.足関節の過剰な回内との連鎖

 股関節の動きが制限されると、下肢のアライメントが崩れ、足首が過度に内側に倒れやすくなります。
 これにより、膝関節に捻じれの力が加わり、慢性的な膝の痛みにつながることがあります。

 

<股関節の可動性を向上させるエクササイズ>

股関節の動きを改善し、膝への負担を軽減するためには、以下を目的としたエクササイズが効果的です。

1. 股関節モビリティエクササイズ

2. 股関節の安定性向上エクササイズ

3. 下半身の統合的なトレーニング

 

 

<まとめ>

膝の痛みの原因は、膝だけにあるとは限りません。股関節の可動性が低下すると、膝に過度な負担がかかり、痛みや障害につながる可能性があります。

股関節の可動性を適切に確保し、膝の安定性を保つことが重要とされています。セルフチェックや適切なエクササイズを取り入れ、股関節の機能を改善することで、膝の痛みを予防・軽減できるでしょう。

膝の痛みにお悩みの方は、ぜひ股関節の動きにも注目してみてください!

いまだ接骨院では、股関節の動きや膝の痛みに対するアプローチを行っています。お悩みの方は、お気軽にご相談ください!

 

2025/02/26 09:00

第39回デンソーカップ静岡大会に帯同しました

デンソーカップとは、「大学サッカーから代表選手を出したい」という経緯で始まった地域対抗戦です。そのような大学サッカー連盟の考えに、株式会社デンソーから賛同、協力をいただくことで、「デンソーカップ」は誕生しました。大会内容に変更を加えながら、今も大学サッカーの強化に大きな役目を果たしています。

デンソーカップの過去の優秀選手には、岩政大樹、長友佑都、永井謙佑、柏好文、増田卓也、佐々木翔、武藤嘉紀、三苫薫、山﨑大地、中野就斗などそうそうたるメンバーがいます。(代表選手とサンフレ選手を主に挙げています)

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今大会は静岡県の時之栖スポーツセンターで開催されました。私は中国選抜のトレーナーとして帯同させていただきました。

気温は低かったですが、天候には恵まれていい環境でプレーをサポーツすることができました。

とてもレベルの高い大会ですので、見応えもあります。

Jリーグや高校サッカーよりもメディアに出る機会は少ない大学サッカーですが、見応えはありますのでぜひ大学サッカーの応援もお願いします。

YouTubeでも見れますし、観戦も無料ですよ!

2025/01/15 09:00

肩関節の痛みと肩甲上腕リズムの関係性

<肩甲上腕リズムとは?>

肩の動きには、肩甲骨と上腕骨が協調して動く「肩甲上腕リズム」という仕組みがあります。たとえば、腕を上げるとき、肩甲骨が背中の上を滑るように動き、上腕骨が回転します。この動きのバランスが保たれることで、スムーズで痛みのない腕の動きが可能になります。

具体的には、腕を90度以上挙げるときに、肩甲骨と上腕骨の動きの比率がおおよそ「2:1」になります。つまり、腕を120度上げる場合、上腕骨が80度、肩甲骨が40度動くように協力します。

 

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<肩甲上腕リズムの乱れが痛みの原因に>

肩甲上腕リズムが崩れると、肩関節に余計な負担がかかり、痛みや違和感を感じる原因になります。たとえば、以下のような症状が出ることがあります:

  • 腕を挙げるときに肩が引っかかる感じがする

  • 長時間腕を使ったあとに肩が痛む

  • 肩を動かすと音がする

このような症状は、肩甲骨の動きが制限されていたり、逆に動きすぎていたりすることが原因で起こることがあります。

<肩甲上腕リズムを改善するためには?>

肩甲上腕リズムを正常に保つためには、肩甲骨周りの筋肉をしっかりと鍛えたり、柔軟性を高めたりすることが大切です。特に以下の筋肉が重要です:

  • 僧帽筋: 肩甲骨を安定させる役割を持つ

  • 前鋸筋: 肩甲骨を前方に引き出す動きをサポートする

  • 菱形筋: 肩甲骨を引き寄せる役割を果たす

<簡単にできるエクササイズ>

  1. 肩甲骨の上下運動: 肩をすくめるように持ち上げてから、ゆっくりと下げる動きを繰り返します。

  2. 肩甲骨を寄せる運動: 背中で肩甲骨を寄せるイメージで腕を後ろに引きます。

  3. 肩甲骨の回旋運動: 両腕を肩の高さで伸ばし、円を描くように動かします。

これらのエクササイズは、肩甲骨の可動域を広げ、肩甲上腕リズムを改善するのに役立ちます。

<専門家のサポートを活用しよう>

肩の痛みが長引く場合や、日常生活に支障をきたしている場合は、ぜひ私たち専門家にご相談ください。いまだ接骨院では、一人ひとりの症状や体の状態に合わせた施術やトレーニングを提供しています。

肩甲上腕リズムを整えることで、痛みのない快適な生活を取り戻しましょう!

お困りの際はお気軽にご相談ください。

2024/12/16 09:00

フォースカップルからみた腰痛

<はじめに>

腰痛は多くの方が経験する身近な症状ですが、その原因やメカニズムをしっかり理解している方は少ないかもしれません。

今回は、体の動きとバランスを説明するための重要な概念「フォースカップル」に注目し、腰痛の原因や改善のヒントをお伝えします。

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<フォースカップルとは?>

フォースカップル(Force Couple)とは、体の動きやバランスを制御するために、複数の筋肉が異なる方向に力を発揮しながら、結果的に関節を安定させたり動かしたりする仕組みのことを指します。この調和が乱れると、関節に余分な負荷がかかり、腰痛の原因となることがあります。(https://imada-sekkotsuin.com/info/5678984)

 

<腰部におけるフォースカップルの例>

腰部の安定性と動きは、いくつかの筋肉群の連携によって保たれています。特に重要な筋肉群として以下が挙げられます。

➢腹直筋と腰方形筋: 前方と後方から腰を支える。

➢腸腰筋と大臀筋: 骨盤を安定させ、腰のスムーズな動きを助ける。

➢多裂筋と腹横筋: インナーマッスルとして、姿勢を整え、微細な動きを調整する。

これらの筋肉がバランスよく機能しないと、腰椎に過度のストレスがかかり、腰痛が発生します。

 

<フォースカップルの乱れが起こる原因>

➢筋力不足や過剰緊張: 特定の筋肉が弱くなったり硬直したりすることで、力のバランスが崩れる。

➢姿勢の歪み: 猫背や反り腰などの不良姿勢が筋肉の働きに影響を与える。

➢反復的な動作や負荷: スポーツや仕事による偏った動きが原因となる。

 

<改善策と予防法>

➢ストレッチと筋力トレーニング

腰部の筋肉をターゲットにしたストレッチ(例: ハムストリングや大臀筋のストレッチ)。

コアマッスル(腹横筋や多裂筋)の強化。

➢姿勢改善

デスクワーク時の椅子や机の高さを調整し、骨盤の正しい位置を保つ。

日常的に姿勢を意識する。

➢専門家への相談

体の歪みや筋肉のアンバランスを調整。

自分に合った運動プログラムを作成してもらう。

 

<おわりに>

腰痛の原因は人それぞれですが、フォースカップルの視点から体を見直すことで、より深い理解と効果的なケアが可能になります。

当院では、筋肉や骨格のバランスを整える治療を行い、腰痛改善をサポートしています。お気軽にご相談ください!