2023/06/23 12:00

熱中症対策

今年の夏も暑くなりそうですね。

暑くなり始めのこの頃には、熱中症で救急搬送されたなどのニュースをよく見ることがあります。

特にスポーツ活動では、熱中症にならないための対策を行うことが重要です。

熱中症の要因.jpg

 

上記のように、熱中症の要因は様々です。特に内的(個人)危険因子はその日だけの対策ではどうにもならない事がほとんどです。

その中でも暑熱順化とは、暑さに身体が適応することで、「暑熱ストレスに対する抵抗力(暑熱耐性)は暑熱環境に繰り返し曝露されたり、そのような環境下で持久性のトレーニングを繰り返すことによって徐々に高めることができる」と言われています。

一般的に順化期間は10~14日程度必要とされ、トレーニング間隔を3日連続で空けて極端に涼しい場所で過ごさないように注意が必要と言われています。

暑くなり始めの最初の2週間程度は極端にきついトレーニングをしないことや、お盆休みの間に涼しい場所で過ごしすぎないことが重要なのではないかと思います。

また、予防のために事前冷却なども効果的であると言われています。

近年では、手掌と足底を冷却することが勧められています。私が帯同しているチームでも、この時期の試合ではウォーミングアップ後のミーティングやハーフタイムのミーティングの際にアイスキューブを持たせています。

熱中症は命に係わる危険な状況ですので、この時期は特に注意が必要です。

出来る対策を行って、スポーツ活動を楽しみましょう!

2023/06/19 09:00

骨盤大腿リズム

骨盤大腿リズムとは、股関節を屈曲した時の骨盤後方傾斜と大腿挙上の協調した運動のことです。

静止立位で骨盤が後傾位の場合ですと、骨盤大腿リズムの骨盤後傾の増大がみられ、腸腰筋(腰椎から大腿骨)よりも多関節筋である大腿直筋(骨盤から脛骨)が収縮しやすい状態であると言われています。

 

<股関節屈曲>

骨盤が後傾しすぎている場合:大腿直筋の筋活動開始時期が早いため、大腿直筋が過活動となる

骨盤後傾が正常である場合:大腿直筋の筋活動開始時期が遅いため、腸腰筋が収縮している

骨盤大腿リズムにおける骨盤の後傾させずぎないためには、大腿直筋の過活動を減少させ、腸腰筋の活動を引き出すことが重要と言えます。

大腿直筋の過活動は骨盤を後傾させるだけでなく、鼡径部の痛みを生じることも多いので、腸腰筋が正常に活動することは非常に重要です。

ただし、骨盤が全く後傾しないと、股関節の前で軟部組織が詰まるような痛みが生じやすくなります。動きすぎてもだめですが、動かないことでも悪影響があります。

 

 股関節屈曲.jpg

 

また、腸腰筋は長時間の座位によって、活動が低くなることがあります。

<長時間の座位で考えられる腰への悪影響>

1.ハムストリングの短縮により骨盤運動が低下してしまう

2.腹斜筋、腹横筋などが疲労して腰を丸めた姿勢になってしまう

3.腸腰筋が短縮し、腸腰筋の活動が低下してしまう

長時間の座位はその他にも頭痛、頸部痛、呼吸量の減少、柔軟性の低下など様々な悪影響があります。

 

当院では一人一人の患者様としっかり向き合って痛みの原因が何なのかを一緒に見つけていくことも重要と考えています。

生活習慣の中に原因が隠れていることもありますので、一緒に解決していきましょう!

2023/06/08 19:00

臨時休診のお知らせ

誠に申し訳ありませんが、院長都合により6月16日(金)の午後を休診とさせていただきます。

午前中は通常通りの診療とさせていただいております。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

休診のお知らせ(臨時休診).jpg

2023/05/20 09:00

腰椎骨盤リズム

腰椎と骨盤は様々な動作で関係しています。

前屈動作では骨盤の前傾と腰椎の屈曲運動がみられ、後屈動作では骨盤の後傾と腰椎の伸展がみられます。

前屈動作では、全体の可動域に対して腰椎と股関節の可動範囲の割合を腰椎骨盤リズムと呼ばれています。

 

<健常者の前屈動作>

1.前屈の初期で腰椎の屈曲が大きい

2.徐々にその割合は同程度となる

3.後半では骨盤の前傾が大きくなる

 前屈の可動範囲は110°であり、腰椎が約40°、骨盤が約70°の可動範囲と言われています。

<前屈の状態から起き上がる動作>

1.初期では骨盤の後傾が大きい

2.徐々に同程度となる

3.後半では腰椎の伸展動作が大きくなる

 腰痛の方で多くみられるのは、起き上がる際に骨盤の動きが小さくなり、腰椎が過剰に動いています。この問題を解決することで症状を軽減させることができます。

 

体幹前屈の痛み.jpg

 

<後屈の場合>

腰椎の運動範囲がやや大きいとの報告もありますがあまり有意差がないため、腰椎と骨盤の運動範囲はほぼ同程度と考えてよいと思われます。

 

<側屈の場合>

ほぼ腰椎での運動

 

<回旋の場合>

ほぼ骨盤での運動

 

 

どのような動作で痛みが出現するかは施術するにあたってとても大切な情報です。

腰痛の方に対して、正常ではない運動パターンを正常に近づけることで痛みを抑え、再発のリスクを減少させることができます。

当院ではこれらの動作を正常に近づけるため、運動パターンを改善するためのストレッチやエクササイズの指導も行っています。

 

2023/04/24 09:00

肩甲上腕リズム

肩があがらない、あげると痛いなどでお困りの方も多いと思います。

肩関節を細かく分けると、肩甲上腕関節・肩鎖関節・胸鎖関節・肩峰下関節・肩甲胸郭関節と5つの関節に分けることが出来ます。単純に肩をあげると言っても多くの関節、多くの筋肉が関わっています。

その中で肩をあげるときの痛みに大きくかかわっているのが、肩甲上腕リズムと言われる上腕骨と肩甲骨の動きの比率です。肩関節を45°以上あげると上腕骨と肩甲骨は2:1の割合で動くことが分かっています。

肩甲上腕骨リズム.jpg

また、肩をあげるときに上腕骨頭が下に向かって「滑り」ながら「転がり」ながら動くことが分かっています。そうしないと上腕骨と肩甲骨がぶつかってしまうからです。インナーマッスルの機能不全となると、上腕骨と肩甲骨はぶつかりやすくなってしまいます。これもまた肩の痛みの原因となりやすいものです。

つまり、肩を動かしたときに痛みがあることの原因の多くは「肩甲骨の動きが悪く肩甲上腕リズムが崩れている」、「上腕骨と肩甲骨がぶつかってしまう」ことです。

もちろん外傷などで構造的な問題があるかもしれませんが、この2つの動きがうまくできていないことで肩が痛んでいることや、外傷後にこれらの動きができなくなることもあります。これらが改善されないとなかなか肩の痛みがなくなってくれません。

肩の痛みでお悩みの方はぜひご相談ください。