2025/03/22 09:00

膝の痛みと股関節の動きの関係性について

膝の痛みに悩む方は多いですが、その原因が膝そのものではなく、実は股関節の動きにあることをご存知でしょうか?

スポーツ医科学の分野では、体の機能を統合的に考えることが重要とされています。体の各関節がどのように連動して動いているかを評価し、痛みや機能不全の原因を特定していきます。

日常生活で起こる痛みに関しても、同様のことが言えます。股関節や足関節の動きが悪いために膝に負担をかけていることが多く見られます。

今回は、股関節の動きと膝の痛みの関係について解説します。

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<股関節の可動性と膝の安定性>

股関節は本来「可動性(モビリティ)」が求められる関節です。一方で、膝関節は「安定性(スタビリティ)」が求められる関節とされています。

しかし、何らかの理由で股関節の可動域が制限されると、その影響が膝に及び、膝関節が本来の安定性を維持できなくなります。これが膝の痛みや障害の原因となることがあります。

 

<股関節の可動性低下が膝に与える影響>

股関節の可動性が低下すると、以下のような問題が起こる可能性があります。

1.膝の過剰な内旋・外反

 股関節の可動性が制限されると、膝が内側に入りやすくなり(ニーイン)、膝にストレスがかかります。
 ニーインすることにより腸脛靭帯炎(ランナー膝)や、内側側副靭帯(MCL)のストレスにつながることがあります。

2.大腿四頭筋の過活動とハムストリングスの弱化
 股関節が正常に動かないと、膝関節を支える筋バランスが崩れやすくなります。
 大腿四頭筋が過剰に働き、ハムストリングスや臀筋の働きが低下すると、膝蓋大腿関節(膝のお皿の下)のストレスが増え、膝蓋大腿関節障害のリスクが高まります。

3.足関節の過剰な回内との連鎖

 股関節の動きが制限されると、下肢のアライメントが崩れ、足首が過度に内側に倒れやすくなります。
 これにより、膝関節に捻じれの力が加わり、慢性的な膝の痛みにつながることがあります。

 

<股関節の可動性を向上させるエクササイズ>

股関節の動きを改善し、膝への負担を軽減するためには、以下を目的としたエクササイズが効果的です。

1. 股関節モビリティエクササイズ

2. 股関節の安定性向上エクササイズ

3. 下半身の統合的なトレーニング

 

 

<まとめ>

膝の痛みの原因は、膝だけにあるとは限りません。股関節の可動性が低下すると、膝に過度な負担がかかり、痛みや障害につながる可能性があります。

股関節の可動性を適切に確保し、膝の安定性を保つことが重要とされています。セルフチェックや適切なエクササイズを取り入れ、股関節の機能を改善することで、膝の痛みを予防・軽減できるでしょう。

膝の痛みにお悩みの方は、ぜひ股関節の動きにも注目してみてください!

いまだ接骨院では、股関節の動きや膝の痛みに対するアプローチを行っています。お悩みの方は、お気軽にご相談ください!