2026/07/23 15:58
スポーツを頑張るあなたへ 〜注意したい「疲労骨折」の好発部位と治りにくい理由〜
部活やスポーツに打ち込む学生アスリートから、ランニングなどの趣味を楽しむ方まで、幅広い世代で注意が必要なのが「疲労骨折」です。
一般的な骨折と違い、転倒や衝突といった「1回の大きな強い衝撃」ではなく、「小さな負荷が同じ場所に何度も繰り返し加わること」で、骨にひびが入ったり折れてしまったりするケガを指します。
今回は、疲労骨折が起こりやすい部位(好発部位)と、注意すべき「難治性(治りにくい)の疲労骨折」について、総論として分かりやすく解説します。
1.疲労骨折が起こりやすい部位(好発部位)
疲労骨折は、主に下半身の体重を支える骨に多く発生し、全体の80%を占めています。スポーツの種目によって負担がかかる場所が異なるのが特徴です。
脛骨(けいこつ / すねの内側の骨):疲労骨折の中で最も頻度が高い部位です。長距離ランナーや、バスケットボール・バレーボールなどの跳躍系競技で多発します。すねの内側あたりに、歩行時や運動時の痛みが出ます。
中足骨(ちゅうそくこつ / 足の甲の骨):脛骨に次いで多くみられます。特に第2・第3中足骨に多く、サッカーやランニングでのステップ・蹴り出し動作が原因となります。長距離の走り込みや行軍などで発生しやすいことから「行軍骨折」とも呼ばれます。歩くときに足の甲が痛みます。
腓骨(ひこつ / すねの外側の細い骨):跳躍やダッシュを繰り返すスポーツで負担がかかりやすい部位です。
|
|
部位 |
割合 |
主な原因・競技 |
難治性リスク |
|
1位 |
脛骨 |
約45~55% |
ランニング、バスケ、バレー(跳躍や疾走) |
前方部は要注意 |
|
2位 |
中足骨 |
約25~30% |
サッカー、陸上、長距離走(ステップや蹴り出し) |
第5中足骨は要注意 |
|
3位 |
腓骨 |
約10~15% |
跳躍の繰り返し、ステップ動作 |
比較的治りやすい |
|
4位 |
大腿骨 |
約5~10% |
マラソン、サッカー、過度なウエイトを伴う走行 |
早期発見が重要 |
|
その他 |
足根骨 |
数% |
ジャンプ競技、切り返し動作の多い競技 |
舟状骨は難治性なので要注意 |
|
その他 |
骨盤 (恥骨・仙骨など) |
数% |
女性アスリート、長距離ランナー、サッカー |
見逃されやすいので要注意 |
|
その他 |
腰椎 |
数% |
体操競技、長距離運動ランナー、腰椎分離症もこの疲労骨折 |
早期発見とリハビリが重要 |
|
その他 |
肋骨 |
数% |
ゴルフ、野球など身体を捻る動作の競技 |
比較的治りやすい |
2.なぜ起こる?疲労骨折のメカニズム
私たちの骨は、強い負荷がかかると一時的に微細なダメージを受けますが、適切な休息と栄養をとることで、以前より強くなって修復されるというサイクル(リモデリング)を繰り返しています。
しかし、次のような要因が重なると、骨の修復スピードがダメージの蓄積に追いつかなくなり、骨折に至ってしまいます。
- 練習量の急激な増加やオーバートレーニング
- 硬いアスファルトでの過度なトレーニング
- クッション性の低いシューズの使用
- 栄養バランスの偏り(エネルギー不足やカルシウム・ビタミンDの不足)
- 柔軟性や筋力の低下、フォームの乱れ
初期のうちは「動けば少し痛むけれど、休めば治る」ため、筋肉痛やただの疲労と勘違いして我慢して運動を続けてしまい、症状を悪化させるケースが非常に多いのが特徴です。
3.特に注意が必要な「難治性の疲労骨折」
疲労骨折の中には、一般的な安静や固定だけではなかなか治りにくく、「難治性(なんちせい)」に分類される部位があります。これらは特に慎重な対応と早期発見が必要です。
- 足の舟状骨(しゅうじょうこつ)
- 第5中足骨の根元(第5中足骨の近位 / 下駄履き骨折・ジョーンズ骨折など)
- すねの前下方(脛骨骨幹部的前方)
なぜ治りにくいのか?
これらの部位に共通しているのは、「もともと血液の巡り(血流)が非常に悪い場所である」ということです。
骨癒合のためには豊富な血液と栄養が欠かせませんが、血流が乏しい部位は修復のスピードが極めて遅く、最悪の場合は偽関節(骨がくっつかない状態)になってしまい、手術が必要になるケースもあります。
そのため、これらの部位の疲労骨折は、初期段階で見つけて「いかに完全に免荷(体重をかけないこと)するか」「適切な保存療法を行うか」が非常に重要になります。
4.まとめ
違和感を覚えたら早めの相談を!
疲労骨折の最大の予防と対策は、「痛みを我慢しないこと」です。
- 「運動の始めや終わったあとに、いつも同じ場所が痛む」
- 「押すとピンポイントで強い痛みがある」
このような症状がある場合は、無理をせず運動を中断し、早めに専門機関にご相談ください。
当院では、患部の状態評価はもちろん、痛みの原因となっている全身の柔軟性やフォーム、使い方のアドバイス、早期回復に向けた施術やリハビリテーションを行っています。
「これってただの筋肉痛かな?」と不安な方も、どうぞお気軽にご相談くださいね!

