2026/09/07 09:00

中足骨の疲労骨折について

足の甲が痛む……それ、もしかしたら「中足骨の疲労骨折」かもしれません。

スポーツ選手やランナーだけでなく、部活動に励む学生や、長時間の歩行が多い方にも起こりやすい障害です。

今回は、中足骨の疲労骨折の原因から具体的な施術内容、そして気になる予後(回復の見通し)まで詳しく解説します。

 

1. 中足骨の疲労骨折とは?

中足骨とは、足首から足の指の付け根にかけて並ぶ5つの骨のことです(親指側から第1〜第5中足骨と呼びます)。よくみられる疲労骨折の部位は以下の通りです。

  • 第2・第3中足骨:ランニングやジャンプの繰り返しによる「縦のストレス」で起こりやすい。
  • 第5中足骨:サッカーやバスケットボールなど、切り返しや足関節を捻る動作(外側へのストレス)で起こりやすい(ジョーンズ骨折とも呼ばれます)。

中足骨疲労骨折.jpg

2. 主な原因

疲労骨折は、1回の大きな外傷ではなく、「小さな負荷の慢性的な蓄積」によって骨に亀裂が入るケガです。主な原因には以下のようなものがあります。

  • オーバートレーニング(練習量の急増)
  • 走る距離やジャンプの回数を急激に増やしたとき。
  • 足の形状やアライメント(骨格の配列)
  • 扁平足(偏平足)やハイアーチなど、足裏のクッション機能が低下している場合。
  • 不適切なシューズ
  • クッション性がすり減った靴や、自分の足に合っていない靴での運動。
  • 栄養・コンディショニング不足
  • 偏った食事による栄養不足(特にカルシウムやビタミンD、エネルギー不足)や、睡眠不足による疲労の蓄積。

 

3. 施術内容

中足骨の疲労骨折の施術は、骨折部の治癒段階に合わせて進めていきます。焦りは禁物です!

当院では整形外科でレントゲン検査を行なっていただき、連携しながら施術を進めていきます。

 

① 安静期(骨がくっつくまで)

免荷・部分荷重:痛みの強い時期は、松葉杖を使って患部に体重をかけない(免荷)期間を作ります。

患部外トレーニング:骨に負担をかけない範囲で、上半身の筋トレや体幹トレーニング、反対側の足のトレーニングを行います。

② 可動域・筋力回復期

足部・足関節の柔軟性向上:足関節やふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)、足底の筋肉のストレッチ。

足指の筋力トレーニング:タオルギャザー(足の指でタオルを手繰り寄せる運動)などで、足裏の細かい筋肉(足底内在筋)を鍛えます。

③ 段階的な復帰期(荷重・動作訓練)

バランス訓練:片足立ちなどを用いて、足首や足裏の安定性を高める。

ウォーキングからジョギングへ:痛みが消失したことを確認し、徐々に走る強度を上げていきます。

 

4. 予後(回復の見通し)について

治癒までの期間は一般的に、安静と適切なリハビリを行えば 約2ヶ月〜3ヶ月程度 で骨癒合(骨がくっつくこと)が得られ、元のスポーツや活動に復帰できるケースが多いです。

ただし第5中足骨(ジョーンズ骨折など)は注意しなければいけません。血流が乏しい部位にあるため、他の部位に比べて「骨がつきにくい(難治性)」傾向があります。症状や骨折のタイプによっては、手術が選択されることもあります。

しっかり骨がくっついた後も、原因となった「足の使い方の癖」「シューズの選択」「トレーニング量」を見直さないと、再発のリスクが高まりますので、それらを改善して再発リスクを減らすことが重要です。

 

5. まとめ

足の甲の痛みを「ただの筋肉痛」や「使いすぎによる一時的な痛み」と放置して無理を続けると、完全骨折へと悪化し、長期の離脱を余儀なくされることがあります。

もし足の甲に「押すと痛い」「歩くときに響く」といった症状がある場合は、早めに整形外科を受診し、適切な診断と施術を受けることが早期復帰への一番の近道です。